小田島水産食品

戦後から木樽で作り続けている「いかの塩辛」
製造にこだわり木樽でしか出せない伝統の味

1914年に食料品店として創業し、1947年より「いかの塩辛」作りを開始。新鮮な函館産のスルメイカを主原料に使用し、創業以来使い続けている木樽にこだわる。プラスチック樽では決して出せない独特の風味が特徴で、まろやかな味わいが美味しいと人気。

小田島水産食品の「いかの塩辛」について聞く。

「いかの塩辛」を作る上で大切にしていることはなんですか？

他社が軽くて扱いやすいプラスチック製の樽に切り替えていく中で、手間をかけて木樽で製造する昔ながらの伝統的な製法を守り続けることです。
木樽は雨が続く場合にはカビが生えやすく、日照りが続くと乾燥しやすく手入れも大変です。

木樽を使い続けるとどのような効果がありますか？

木樽を長年使用することで発酵菌が樽の内側に住み着きます。その菌によって味、香り、色などが形成され、木樽独特の「いかの塩辛」が作られます。
表面のほんのりとした桜色は自然発酵によるもので着色料は使用していません。

イカを仕入れてから「いかの塩辛」として商品になるまでの時間と過程を教えてください。

通常は冷凍されたイカを使用します。解凍したイカの生処理をして一晩塩漬けします。その翌日、塩辛の大きさに切り、調味して木樽に漬け込み、1週間熟成発酵させます。そして、毎日約180cmの樫の棒で撹拌（かくはん）して、自然発酵・熟成を促します。
※「攪拌」：主に物質や材料をよく混ぜ合わせること

小田島水産食品で製造している「いかの塩辛」の美味しさのポイント、おいしい食べ方は何ですか？

発酵食品によるまろやかで深い味が特徴です。イカの臭みが少ないので、子供でも食べやすい味です。
じゃがいもやカマンベールチーズにのせて食べると、さらに美味しくなるのでおすすめです。

小田島水産食品の施設、取り組みについて聞く。

塩辛を販売しながらお昼はランチ、夜はバルとしてお店を展開したきっかけは何ですか？

「いかの塩辛」を試食販売していたところ、お客様から「お酒を飲みたい」、「ご飯を食べたい」と要望が多かったことがきっかけで飲食店をすることになりました。ランチ、バルでは地元のシェフが手掛けた、「塩辛の焼きそば」「塩辛のチャーハン」などを地元のお酒と共に楽しむことができます。

小田島水産食品と地域との関りや取り組みなどがあれば教えてください。

20年前から工場見学をしており、地元や他県の小学生、町会の研修や観光客も訪れます。修学旅行生が訪れることもあり、イカの歴史を学ぶなどしながら工場を見学し、多いときは200名程訪れることもあります。

小田島水産食品の今後について聞く。

小田島水産食品の今後の夢や目標をお聞かせください。

塩辛が苦手な方でも食べやすい塩辛を提供し,食べられる喜びを感じていただくために、代々引き継がれてきた木の樽を使い,伝統的な製法で美味しい「いかの塩辛」を作り続けていきます。また、子供たちへの食育の一つとして、発酵食品の文化を伝えていきます。
直売店では、お酒と「いかの塩辛」を楽しんでいただき、幸せな出会いや癒しの空間を提供できる場所を目指していきます。