TSUKURITEMAGAZINE 04

Naito togarashi project

内藤とうがらしプロジェクト

新宿

TSUKURITEMAGAZINE 04

内藤とうがらしプロジェクト

内藤とうがらしで、新宿の街を元気に!
江戸時代に一大ブームを巻き起こした唐辛子が、現代に復活!

約400年という長い眠りから目覚めた内藤とうがらし。 再び「新宿名物=内藤とうがらし」を実現する活動を行う。地域・行政・学校・企業などと連携し、さまざまな取り組みで内藤とうがらしの活動の輪を広げている。

「内藤とうがらしプロジェクト」リーダー成田氏に聞く

内藤とうがらしプロジェクトリーダー成田重行氏。プロジェクトの発起人であり、内藤とうがらしを現代に復活させた立役者。地域開発プロデューサー。
内藤とうがらしプロジェクトリーダー成田重行氏。プロジェクトの発起人であり、内藤とうがらしを現代に復活させた立役者。地域開発プロデューサー。

「内藤とうがらしプロジェクト」を立ち上げたきっかけを教えてください。

私は60歳で企業を定年退社後、全国30ヵ所の市町村地域開発をしてきました。当時新宿に事務所があり、地域の人から足元の活性化を要請されていましたが、「大都会には興味がない」と断っていました。ところが、2008年ある会合で少年が悲しい顔で、住環境、治安の不安を訴えていました。
この時、「何か新宿地域の誇りを探そう!」と決心し、プロジェクトを立ち上げました。

新宿で内藤とうがらしを復興させるにあたり、苦労したことは何ですか?

「伝統野菜の内藤とうがらし」は、江戸時代のブランド、この姿・形・色・大きさ・食味を守り、維持・管理・継承する義務があり、種や苗の扱いルールを厳しくしています。その一方で、「内藤とうがらし」としては知名度がないため、大いに「内藤とうがらし」を普及したいところです。しかし、普及拡張はブランドが乱れる要因になります。この板挟みに苦労しています。

他の唐辛子と違った、内藤とうがらしの特徴を教えてください。

【歴史的特徴】
江戸時代の内藤新宿在来種で、蕎麦ブームで江戸中の人気になり、有名ブランドになった。

【植物としての特徴】
実形状が天に向かって房状に赤く実るところから、「幸運を呼ぶ作物」として喜ばれている。

【食物としての特徴】
アミノ酸成分が多く、旨味が豊富。辛味はマイルドで、熟成するにつれ香りがたち、料理の名脇役。

内藤とうがらしプロジェクトの地域に根差した取り組み。その秘訣を聞く。

内藤とうがらしで「新宿を真っ赤に!!」と、さまざまな地域で栽培やイベントを開催し、新宿地域全体を盛り上げる成田氏。
内藤とうがらしで「新宿を真っ赤に!!」と、さまざまな地域で栽培やイベントを開催し、新宿地域全体を盛り上げる成田氏。

有名企業と一緒に様々な取り組みをされていますが、どのようなきっかけで実現しているのですか?

鍵は「人の繋がり」です。初めは小さな現象ですが、人が人に伝えて「知る、理解する、共感する、行動する」。このステップを着実に実行しています。 きっかけは小学校の「内藤とうがらし授業」です。既に8年目で、授業経験者は1万人になります。子どもが授業で知って父兄に伝え、それが近所の話題に。さらに商店街が行動して、百貨店がイベントを開き、飲食店が採用して、公共施設が協力する。
このように、人と人の繋がりによって、取り組みがどんどん実現へと向かっていきました。

新宿駅東口駅前広場「Shinjuku Farm Project」。地域の皆さまと共に、江戸時代に新宿地域で育てられた「内藤とうがらし」を栽培。
新宿駅東口駅前広場「Shinjuku Farm Project」。地域の皆さまと共に、江戸時代に新宿地域で育てられた「内藤とうがらし」を栽培。
新宿駅みどりの窓口内設置の「駅のスタンプ」。
新宿駅みどりの窓口内設置の「駅のスタンプ」。
西口に建つ高層ビルと「内藤とうがらし」を組み合わせた「新」の字の絵柄。
西口に建つ高層ビルと「内藤とうがらし」を組み合わせた「新」の字の絵柄。

内藤とうがらしプロジェクトの今後について聞く。

今後、内藤とうがらしプロジェクトとして、新しく取り組みたいことはありますか?

【ローカル】
“もっと濃く、深く”新宿を 。内藤とうがらしプロジェクトがブリッジパーソンとして、地域のステークホルダーの皆さんと連携を取り、「小さい農」唐辛子を育て楽しむ。(食、住、癒し、環境、教育)2万世帯を目標としています。

【グローバル】
“もっと広く、多く”世界へ。 新宿の活動を世界に発信。当面は世界のスローフードメンバー25万人へ訴求していきます。内藤とうがらしは、スローフード協会の国際本部に〈Slowfood Community Naito Togarashi〉として登録されています。

江戸時代の宿場町「内藤新宿」模型は、新宿歴史博物館に展示されている。
江戸時代の宿場町「内藤新宿」模型は、新宿歴史博物館に展示されている。
現代の内藤新宿跡は、新宿通りを中心とし伊勢丹など建ち並ぶ。
現代の内藤新宿跡は、新宿通りを中心とし伊勢丹など建ち並ぶ。

CABIN × 内藤とうがらしプロジェクト

プレミアホテル-CABIN-新宿の朝食ブッフェに「内藤とうがらしプロジェクト」の七味唐辛子が登場!

新宿 内藤とうがらし七味

新宿 内藤とうがらし七味

内藤とうがらしで作った「七味とうがらし」が、朝食ブッフェ会場に登場。おしゃれな竹製の容器にもご注目。お好みで、朝食ブッフェのメニュー振りかけてお楽しみいただけます。