TSUKURITEMAGAZINE 01
Takasago shuzo
旭川
TSUKURITEMAGAZINE 01
髙砂酒造
北海道大雪山の雪清水で
こだわりの酒を育む創業百余年の酒蔵
髙砂酒造は、辛口清酒「国士無双」や、創業以来の伝統と醸造技術を結集した「旭神威」など、多くの銘酒を生み出しています。忠別川流域の地下水を使用し、北海道産米の醸造に力を注いでいる北海道を代表する酒造メーカーです。
髙砂酒造の地域に根差した取り組み。その秘訣を聞く。
髙砂酒造の「氷雪囲い」「雪中貯蔵」「雪氷室」など、⾃然を活かした酒造りが印象的ですが、
そのアイデアはどのように⽣み出され、また成功の喜びや、苦労したことなど教えてください。
豪雪・極寒の地北海道では、元来、魚を長期保存するために凍らす「ルイベ」や、野菜を雪の下で氷温貯蔵して甘味や旨味を増す「雪下野菜」など、自然や気候を利用して商品を販売したり、生活をしています。髙砂酒造では、そのあたりからヒントを得て、氷と雪を利用して地中に埋めたタンクを貯蔵する「氷雪囲い」や、美瑛の丘に酒をタンクごと雪の中に貯蔵して熟成させる「雪中貯蔵」、雪と氷でドームを製造し中で大吟醸の袋吊りをする「雪氷室」を開始しました。このように北海道の酒造メーカーらしい酒を販売することで、お土産物での購入も圧倒的に増えました。
苦労したことは、とにかく厳しい寒さの中、氷点下10度以下にもなる作業で、体の芯から凍えてしまうことでしょうか。
梅酒(リキュール商品)を手掛けるようになったのは何故ですか?
また、「利尻昆布梅酒」や「蝦夷蔵梅酒LAB.」など、北海道の地域特産品を取り⼊れとても魅⼒的です。
旭川近郊のみならず、道内⾊々な地域との連携が伺えますが、どのような経緯で実現が可能になったのでしょうか?
日本酒の出荷状況は、1974年をピークに右肩下がりで約1/3まで減少をし続けています。当社としては日本酒を軸に他にできる酒類を検討し、日本酒ベースの梅酒を2008年から実験的に販売、瞬く間に販売数量は伸びて、全道の料飲店で取り扱いいただくことになりました。
地域との連携、特産品開発は当社のコンセプトの一つであり、どのようにそれらを生みだしていくかは常に考えています。
「利尻昆布梅酒」の場合は、北海道庁主催の特産品開発事業「フード塾」の集まりの中で出たアイデアを基に開発されました。
「蝦夷蔵梅酒LAB」については、北海道の特産品である果物でリキュールが造れないかと考え、全道の果汁を集めて30種類以上の試作の中から「余市のりんご」や「富良野のぶどう」、「浦河のいちご」でスタートした商品です。現在では、年間それぞれ5,000本を販売する人気商品となり、今後、さらにバリエーションを増やして販売強化していきたいと思います。
酒造りの最高責任者。杜氏に聞く。
髙砂酒造の酒蔵を選ばれたきっかけなど教えてください。
2008年日本清酒株式会社から髙砂酒造に転籍しました。水や原料米・労働環境など前職場と異なることが数多く、慣れるまでは苦労の連続でした。
『杜氏』というお仕事はどのようなものですか? また、杜氏になるためにはどのようなことが必要ですか?
酒造りに係る全ての工程について責任を持ち監督するのが役割で、工程の進行状況の把握はもちろん、目標通り進めて目的とする酒を造るまでの道筋をつけ、「蔵人」を導くことが本質だと思います。
酒造りにおいて、杜氏として「こだわっていること」「気を付けていること」「大切にしていること」など、教えてください。
工程のやり方そのものに特にこだわりはありませんが、原料米の品種ごとにその長所を最大限に引き出すことを第一に考え、進めていきたいと思っています。微生物の生育管理という観点からは、方向性を決める判断が遅れないように特に気を付けています。寒造りでは冬期間の集中作業を⾏うため、蔵⼈の体調把握などにも気を配っています。
森本杜氏にとって「旭川での酒造り」はどのようなものですか?
寒造りに必要な寒さは十分にありますが、当社のような蔵では気温が低すぎて困る場面もあります。必要な場面で寒さを取り入れながら、上手に付き合っていくのが大事だと思います。
杜氏から副杜氏へ伝えていきたいこと、継承したいことは何ですか?
技術的なことはもちろんですが、仕事や杜氏としての役割を優先しながら、自分や蔵人の事情とどのようにバランスをとるか。寒造りの長丁場を乗り切るための心の持ち方を継承できればいいと思っています。蔵人としてではなく、杜氏としての目線を意識する場面をこれまで以上に増やして欲しいです。
「若蔵 WAKAZO KURA Challeng」について聞く。
「若蔵 WAKAZO KURA challenge」とは、どのようなプロジェクトで、どんなメンバーで形成されていますか?発足のきっかけは何ですか?
2016 年に企画提案会議で「チャレンジタンクを毎年1 本造ってみる案」と「若手による酒造りの案」が出た際に、組み合わせて発足したプロジェクトが始まりです。今年で6年目を迎えます。
当初は「蔵の若手による将来のレギュラー化を目指したチャレンジタンクを1 本醸造」するという趣旨・目的を掲げ、各部署から募った6 ⼈で企画⽴案・製造・販売まで⾏っていました。回を重ねるごとに趣旨の変更やメンバー再編成を繰り返し、現在では企画・営業・製造・工場から集まった4 名で構成され「若蔵ならではの⽇本酒の多様性を活かした挑戦的酒造りで、若い世代にも⽇本酒の魅⼒を発信するプロジェクト」として活動しています。
髙砂酒造で働くこと、酒造りをすることを選んだ理由は何ですか?
⽇本酒業界で働く友⼈から、⾼砂酒造で蔵⼈を募集していると聞いて応募したことがきっかけです。もともと⽇本酒が好きでしたが、まさか私が酒造りに携われるとは思ってもいませんでした。
若蔵メンバーに選ばれた時の気持ちをお聞かせください。
⾃分たちだけで酒質・商品設計が出来ることの期待感と、本当に商品開発出来るのかどうか不安が⼊り混じった感覚でした。
若蔵メンバーになって大変なことはありますか?
メンバー全員に⾔えることですが、それぞれの通常業務をこなしながらプロジェクトの会議や企画をする時間を作らなければならないことです。製造部からは私一⼈なので、酒造りの期間に⼊ると重圧が一気生掛か生ます。作業によっては⼈手が必要生ので生メンバー以外の社員に協⼒を要請することもあります。
「若蔵 WAKAZO KURA challenge」のやり甲斐や、嬉しかったことは何ですか?
製造部に所属していますが企画や販売まで多岐にわたって業務に携われることです。取引先やお客様と接する機会も増え、とてもやり甲斐を感じます。
プロジェクトから造られた商品が「若蔵」というブランドとして確⽴されたことが嬉しかったです。また商品が完成した時や目標を達成できた時は、メンバーで喜びを分かち合うことが出来る点も魅⼒ある企画だと思います。
プロジェクトを通して、若いうちから貴重な経験を積まれていると思います。
今後の夢や目標などお聞かせください。
「これまでの髙砂酒造にはないタイプの日本酒を造る」という縛りがある中で、新商品を開発するのはとても大変です。経験やデータが全くない状態から始まるので、毎年酒質を変える度に一から勉強と調査をすることになるからです。こうした経験は自らの力になっていますし、お客様のニーズに応えられるようなプロジェクトになっていると確信しています。特に日本酒離れしている若い世代に魅力が伝わる商品を造りたいと思っています。
今後もプロジェクトを継続してやがて次の世代へ引き継ぎ、後輩たちの勉強・経験に役立てて貰いたいと願っています。また、地域に根差した酒蔵として、日本の文化の一端を担えるような日本酒を造っていきたいと考えています。
ギャラリー
CABIN × 髙砂酒造
プレミアホテル-CABIN-旭川と「髙砂酒造」のコラボメニューが、朝食ブッフェとDining Bar BROWNに登場!
お酒を造る時に使う「酒米」を有効活用し、朝食メニューを考案。フードロス削減も取り組んでいます。
また、髙砂酒造の「吟醸甘酒」を使ったカクテルメニュー等もお楽しみいだけます。
レストランハレル
朝食ブッフェの酒米を使ったメニュー
「ミルク煮デザートのリオレ」「イタリアンサラダ仕立て」など、 どれが登場するかは、当日のお楽しみ♪
Dining Bar BROWN
麹でつくる「吟醸甘酒」のスムージーカクテル
ブルーベリーや白桃、コーヒー、バニラなど10種類 アルコール入り 1,000円 / ノンアルコール 800円
イベント告知
2022.9.30 (Fri) at プレミアホテル-CABIN-旭川
髙砂酒造×CABIN with BROWN
若蔵ナイト ~WAKAZO NIGHT 2022~
日本酒の未来を担う若蔵メンバーが、一夜限りCABINに集結。日本酒の面白さ、奥深さなど、楽しいトークを聞きながら、日本酒「若蔵」と相性の良いお料理と共に日本酒を楽しみませんか?来場者プレゼントも!
※イベントは終了しました。
キャンペーン
Premierhotel-CABIN- 『TSUKURITE MAGAZINE』 創刊記念
髙砂酒造の日本酒セットプレゼントキャンペーン
髙砂酒造の記事を読んで、「髙砂酒造の日本酒セット」など豪華賞品を当てよう!記事の中から簡単な問題が出るので、よく読んでから応募しよう。
※終了いたしました。